理科塾から望む教育コラム

教育、世相、人と街…、肌で感じた小さな発見と疑問について軽い頭を絞りながら綴ります。

合格できる人の8つの特徴⑤ 学習の優先順位を立てられる

教育メディアから飛び交う、華々しい合格者数ランキングの裏側にはその何倍もの数の不合格者が存在します。彼らの合否の分かれ道は何だったのか。私の指導経験から得た合格できる人の8つの特徴を10回に渡ってお話しします。新受験生の皆さんの一助となれば幸いです。

 

いつ何を学ぶべきかの優先順位を考えよう

 

「合格できる人の8つの特徴④ プロの戦略を実践できる【前・中・後編】」では、受験における”戦略”の重要性を述べてきました。自分を信じ、プロが示した戦略を信頼し、第一志望校に主軸を置いた学習を限られた時間の中で着実に実行することが肝要となります。

 

ただ勉強時間を増やしても受験には非効率であり、自己満足にすぎません。そこで受験生は、受験日から逆算していつまでに何を達成するべきなのかを考えなければなりません。今自分が取り組むべきことは何なのか。まさに『いつやるの?今でしょ』の精神で戦略を信じて受験生活を送るわけです。

 

そうは言っても受験生は誰しもが不安に襲われます。10代のあなたにとって人生初の分岐路に立つわけですから、先の見えない焦燥に囚われても当然です。

 

「今の成績で合格できるのだろうか」

「他の問題集を見なくても大丈夫だろうか」

「今の学習法だけで足りるのだろうか」

 

不安と焦りに襲われて、無駄な模試を受けてみたり、むやみやたらに過去問を解いてみたり、的外れな教材や学校の課題に手をつけてみたりする衝動に駆られるわけです。ましてや勉強から目を背けて課外活動や趣味に精を出すなどもってのほかです。

 

学習計画に一貫性のない問題を解いて「できた、できなかった」と一喜一憂しても合格に繋がる学力の向上に繋がりません。また過去問は志望校合格に直結する限られた資源です。点数に一喜一憂するために利用する行為は愚の骨頂でしかありません。

 

 

優先順位は紙に書き出そう

 

優先順位を考える時には箇条書きや簡単な表にして紙に書き出すことをお勧めします。各課題ごとに、短期的には一日の学習量と時間配分などを決めて、中長期的には何をいつまでにどの順序で完成させるのかを書きながら整理してみましょう。

きっちりした時間割を作る必要はありません。人間は予定通り物事をすすめることが苦手な生き物です。時間割通りに学習が進まなくなると焦りが出たり、やる気がそがれたりしてペースがさらに崩れます。ToDoリストのように大雑把な予定表で構いません。終了したら線を引いて消し込んでいきましょう。

 

 

受験勉強と野球、勝負事としての共通点

 

不安や迷いに負ける人は一貫性のある勉強ができません。ゆえに空回りして成績向上はおろか、合格のチケットを獲得できません。

アニメ“ドラゴン桜”の劇中で『スポーツや芸事などに結果を出してきた者は受験でも強い』とのセリフが登場します。”不安や緊張の中で自分を信じる精神力と実行力は何事にも成功を手繰り寄せる”との意味でしょう。

 

野球に例えてみます。

 

打者との勝負においてバッテリーはどの球種で打者を仕留めるか、これと決めた配球と球種を信じて勝負に挑みます。

ところが、「もし打たれたらどうしよう。打者に配球と決め球を見抜かれているのではないか。」などと不安と迷いに襲われ始めると予定とは異なる球種を投げてしまい、打たれてしまうものです。

 

自分は今、合格に向けて何を優先するべきか。繰り返しになりますが、先が見通せなくとも自分を信じ、プロが示した戦略を信頼し、強い意志をもって学習を進める以外に合格への道は開けないのです。

 

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