理科塾から望む教育コラム

教育、世相、人と街…、肌で感じた小さな発見と疑問について軽い頭を絞りながら綴ります。

日々是思案

宗教には宗教を

9月に入り肌を刺すような日差しを感じなくなったものの、猛暑がおさまりません。 休日のある日、教室で模試の問題を解いていましたが、気分を変えようと近くの公園に問題用紙と筆記用具を手にして出かけてみました。 夕方になれば、木陰のベンチも快適に感じ…

情報を正しく消化できる人になろう

先日、”流しそうめんで集団食中毒”とメディアで報じられていました。(被害にあわれた方の一日も早い快復をお祈りしております。) このニュースはもちろんフェイクではなく、事実を報じたものです。 しかし、この目を引くニュースタイトルに1点の危惧が生じ…

ガクチカと内申評価制度の意外な共通点②

前回のコラム「ガクチカと内申評価制度の意外な共通点①」では、中学校の内申評価制度が大学生のガクチカ意識の根底をなしている問題点に触れました。 学内活動や検定等の教科外の内申評価点は受験生の思考力や人間性(適性)を測れているのでしょうか。また…

ガクチカと内申評価制度の意外な共通点①

大学生の“ガクチカ”問題 現在の大学3年生・4年生はコロナ禍の大学生活を入学当初より余儀なくされてきた学年です。授業はオンラインが中心で、インカレ・サークル・クラブ活動も大幅にその機会を縮小させられてきました。学生アルバイトの定番といえる飲食店…

学校あるある―本当にそれでいいんですか?(多数決編)―

一般国民にとって“どこ吹く風”程度の関心かもしれませんが、どこぞの偉い人を決める話がメディアで騒々しい。誰が誰に投票する(した)とか、派閥間の駆け引きによる票数の行方がどうとか、ランキング的な関心が報道の見出しを飾っています。どこぞの偉い人…

祝「モヤモヤさまぁ~ず2」出演!から見える景色

7月18日に放送された「モヤモヤさまぁ~ず2」所沢編でさまぁ~ずのお二人と田中瞳アナが理科塾に立ち寄ってくれました。ツッコミを交えながら、一緒に水中花火の実験を楽しむ様子が放映されています。これまでも理科実験教室として、ニュースや情報番組…

学びの先にあるもの

先日、悩み多き中3男子と談笑する機会がありました。高校生と見紛えるような風貌の彼から「このオジサンは説教臭い」と思われないように私は緊張しながらも、学ぶことの意味などを話しました。すると彼から「どうして勉強しなければならないのか、この問いに…

求人困ったちゃんランキング

理科塾は少人数制の理科実験クラスと個別式の進学指導クラスを運営しています。経営者である私一人がすべてのクラスで指導にあたっています。かつて小学生向けの理科実験教室を運営していた際には、授業のサポート役として女性アシスタントを雇っていました…

個人塾で成績を伸ばせる人

2月は教育業界にとって様々な意味で節目となります。中学・高校・大学受験は佳境を迎え、次年度以降の受験を目指す生徒にとっては学年が切り替わり、ギアが一段上がります。保護者にとっては新たな塾や習い事教室を検討する時期でもあるでしょう。 ■学力を伸…

脚本から学ぶ授業づくり

■3つの恋愛ストーリーが同時進行する「コイハハ」 昨年末にエンディングを迎えたTBSドラマ「恋する母たち」(コイハハ)では3人の既婚女性にまつわる恋愛模様が描かれています。長い結婚生活の中で不満や悩みを抱えながらも仕事に子育てに日々を過ごす女性…

もしも理系脳だらけの世の中になったら?

本年度から大学入試共通テストが始まります。物議を醸した、民間英語試験の導入と数学および国語への記述式問題の採用とが見送られ、これまでのセンターテストとの間に大きな相違点は見受けられません。 ただ、これを機に大学入試のあり方について、私立大学…

一番好きなラーメンの具は?―ある小学生の会話―

フォトグラファー梅佳代さんをご存じでしょうか。小学男子のありふれた日常とその生態を一コマに捉えた作品は人気を博しています。写真から伝わる梅佳代さんの独特な世界観が見る人の心をクスっと、ほわっとさせてくれます。 小学男子という生きものは、世間…

日々是発見フクロウ日記―ヒト化する!?エキゾチックアニマル―

エキゾチックアニマルって何?一般の方には聞きなれない言葉でしょう。エキゾチックアニマルとは、獣医師さんやペット業界の間で用いられる用語で、外国から来た野生動物や一般的にペットとして飼育されていない動物などを指します。私はかれこれ10年以上に…

菓子パン「サマー」の謎

前回のコラム「ホームページからは見えない、ブログから見える情報 」にて予告の通り、今回のコラムは、インスタ的どうでもいい話を綴っていきます。その記念すべき?第1段はこちら↓ 謎の菓子パン「サマー」withモナリーちゃん♀ 何のひねりもないフォントが…

ホームページからは見えない、ブログから見える情報

当塾ではホームページに加えて、ブログとインスタとの3本立てで情報を発信しています。ブログでは、理科塾“コラム”と斜に構えて、真面目な話を長々と偉そうに綴っています。一方で、実験小ネタやフクロウちゃんなどの軽い話はインスタに挙げてきました。 し…

1年後・2年後に受験を迎える子と親へ

2020年も12分の1の月日が過ぎました。センター試験と中学入試は終了し、2月に突入した現在は、私立大学・国公立2次・高校入試が佳境をむかえています。中学入試に限って言えば、首都圏の国立私立中学受験者数は4万人台後半を推移し、公立中高一貫校の受験者…

数字や形に見えないから価値がある

TBSドラマ「G線上のあなたと私」は、同局で話題となった「カルテット」の再来と一部のネット民の間で囁かれているそうです。大人のバイオリン教室で知り合った、年齢も立場もまちまちな3人の生徒を中心に繰り広げられる心の動きや人間模様が繊細で共感を呼び…

無知な自分を知ることから始まる知性

こーたろさんという方が投稿した以下のツイッターが話題になっています。 『バスで料金払うときに手帳見せて障害者の料金で払ったんだけど、後ろの老人の一言でかなり落ち込みました。自分は発達障害だから見た目は何もないんです。「最近の若者は見た目丈夫…

会話力向上のコツ-ある八百屋との世間話-

桜の開花情報にメディアがはしゃぐ季節になりました。とはいえ、4月中頃までは、暖気と寒気のせめぎ合いが続きます。“春は寒い”、ということを再認識するたびに思い出すコントがあります。 「あ゛ぁ~、もう4月になったというのに冬みたいに寒いなぁ~。今年…

情報のカプセル化に抗いたい

“家電運”というものがあるのならば、私は良運の持ち主ではないようです。特に酷いのが掃除機(クリーナー)運です。この10年間に4台の掃除機たちを看取ってきました。中には入院手術を試みたものもあります。付き合ってきた掃除機たちの形式も、オーソドック…

気づける人になるために-AI時代に生き抜く力-

近頃のスーパーでは、セルフ化・半セルフ化されたレジが見られるようになりました。私がたまに行くスーパーには、半セルフ化されたレジが並ぶ中、一台だけお釣り渡しまで店員さんが行う従来式のレジがあります。時代に逆行するひねくれ者の私は従来式のレジ…

分かりやすさの落とし穴

♪宵闇に 爪弾き 悲しみに雨曝し 花曇り♪ ♪枯れた街 にべもなし♪ ♪侘しげに鼻垂らしへらへらり♪ ………(中略)……… ♪あなたは(ふらふらふら)フラミンゴ♪ ♪鮮やかな(ふらふらふら)フラミンゴ♪ 失礼しました。何のことか分かる方も多いかと思います。米津玄師…

人が人であるために忘れてはいけないもの

■年末年始はドラマの一挙放送目白押し 休みの日はこんな風に過ごしてみたい。それは朝から夜までドラマの世界に投身することです。休日の遅い朝、寝ぼけ眼をこすりながらソファにインしてテレビのリモコンをオンします。たまたま画面に映し出された懐かしい…

自由な発想はどこから生まれるの?

できるといいな、山手線に代わるネオ平成時代の新路線!!「山手メトロポリタンループライン」いえいえ、今巷でリツイートされまくっている創作路線図のことです。 創作路線図は、山手線30番目の新駅“高輪ゲートウェイ”の名称発表に端を発します。どうやら、…

人の気配を感じる繋がり

ネットやスマホが広まり始めた頃からだろうか、リアルな人のつながりが希薄化する一方で、人とのつながりを求めて自己承認欲求を満たそうとSNSの世界に没頭する人が増えたのは。 人は誰しも人と関わりながら生きている。学校であれば、クラスメート・先生・…

いにしえに想いを馳せる―夏旅第4回―

灯台下暗しとは、こういうこと。 名古屋育ちなのに、最後に名古屋城を訪れたのは幼稚園生?それとも小学生?の時だったか。天守閣の木造化問題で騒がしい名古屋城へ行ってきました。尾張名古屋は城で持つ。金の鯱(しゃちほこ)は名古屋の誇りだぎゃあ。鉄…

そこにスピリットはあるか―夏旅第3回―

夏だ、山だ~!海だ~!甲子園だ~!。夏が猛暑すぎると定番外遊びのハードルがぐっと上がります。体力には自信がありませんから、お出かけ先は博物館系が専ら。インドアの夏全開です。 今回訪れたのは、岐阜県各務原市エーザイ川島工場内にある薬の博物館で…

教育の変わらぬ土壌―夏旅第2回―

夏旅第2回も引き続き、松本の旧開智学校編です。15年くらい前までは松本に何かと縁があってよく足を運んでいました。久しぶりの松本で感じた変化は、松本城への観光客が爆発的に増加したこと、電柱も地中化され繩手通や本町通など城下町の街並みが歩きやすく…

教育の理想を追求した偉人―夏旅第1回―

毎週のように発生する台風が20、21号と数を重ねるごとに、秋の足音が近づいて来るようです。夏が過ぎ去っていくことに後ろ髪をひかれる想いの今日この頃。私にとって夏の醍醐味は旅と遊び。照りつける日差し、五月蠅い蝉の声、郷愁誘う蜩の音色、旅の途中で…

最近の教科書事情

小学英語教育の必須化、プログラミングの導入、大学入試制度の改革などなど、平成の終わりの教育スローガンは賑やかしい。しかし、第一線にいる子どもや先生たちの教育事情は、私が小中学生だった30~40年前と比較して大きく変化しているのでしょうか。メデ…