理科塾から望む教育コラム

教育、世相、人と街…、肌で感じた小さな発見と疑問について軽い頭を絞りながら綴ります。

2018-01-01から1年間の記事一覧

内申点という魔物⑥―“頭のいい子”の落とし穴―

第4回・第5回コラムでは、内申点という限定的な学力の物差しが、子どもたちを学力別カテゴリーに振り分け、学力の優劣意識を刷り込む弊害について取り上げてきました。この年齢期に優秀な成績を残せなかった生徒が、劣等意識を打ち砕けば、能力を開花させら…

内申点という魔物⑤―公立高校ヒエラルキーと呪縛―

連載コラム「内申点という魔物」第5回は、内申点が生み出す学力階層(ヒエラルキー)とは何なのか、また、そのヒエラルキーの中で子どもたちがどのような意識を刷り込まれるのかについて綴っていきます。 ■公立高校ヒエラルキーとステータス どの地域でも公…

内申点という魔物④―“頭のいい子・悪い子”は思い込み―

中学生になって受ける校内一斉の定期テストは、学力面における相対的な自己の位置づけを初めてつまびらかにする機会です。第4回コラムでは、定期テストやそれに基づく内申評価が思春期の子供たちの内面に及ぼす影響を考えていきます。 ■内申評価が作り出す“…

内申点という魔物③―それでも内申評価制度があるわけ―

第2回コラムでは、内申点評価を軸として送られる中学生活の弊害について述べました。古今東西を問わず、なぜ内申点評価が公立高校入試に幅を利かせ続けるのか。内申点について考えるシリーズ第3回は、内申点評価制度が公立高校入試に果たす役割について述べ…

内申点という魔物②―すべては内申点のため―

第1回コラムでは、内申点(調査書)が公立高校受験で無視できない存在であることを述べました。今回は、内申点評価制度が公立中学校の生活に及ぼす影響について綴っていきます。 ■普遍的な学力の向上よりも定期テスト対策こそが生命線 前回のコラムで既述の…

自由な発想はどこから生まれるの?

できるといいな、山手線に代わるネオ平成時代の新路線!!「山手メトロポリタンループライン」いえいえ、今巷でリツイートされまくっている創作路線図のことです。 創作路線図は、山手線30番目の新駅“高輪ゲートウェイ”の名称発表に端を発します。どうやら、…

人の気配を感じる繋がり

ネットやスマホが広まり始めた頃からだろうか、リアルな人のつながりが希薄化する一方で、人とのつながりを求めて自己承認欲求を満たそうとSNSの世界に没頭する人が増えたのは。 人は誰しも人と関わりながら生きている。学校であれば、クラスメート・先生・…

内申点という魔物①―評価の仕組みとその実態―

「内申点の意味するものは何だろう?」 高校入試で私が中学の先生とバトルしたあの頃からずっと胸につかえてきたことです。 ■学校評価制度の新たな動き 先日、文科省中教審の有識者ワーキンググループが「学校現場での評価の在り方」について従来の評価方法…

いにしえに想いを馳せる―夏旅第4回―

灯台下暗しとは、こういうこと。 名古屋育ちなのに、最後に名古屋城を訪れたのは幼稚園生?それとも小学生?の時だったか。天守閣の木造化問題で騒がしい名古屋城へ行ってきました。尾張名古屋は城で持つ。金の鯱(しゃちほこ)は名古屋の誇りだぎゃあ。鉄…

そこにスピリットはあるか―夏旅第3回―

夏だ、山だ~!海だ~!甲子園だ~!。夏が猛暑すぎると定番外遊びのハードルがぐっと上がります。体力には自信がありませんから、お出かけ先は博物館系が専ら。インドアの夏全開です。 今回訪れたのは、岐阜県各務原市エーザイ川島工場内にある薬の博物館で…

教育の変わらぬ土壌―夏旅第2回―

夏旅第2回も引き続き、松本の旧開智学校編です。15年くらい前までは松本に何かと縁があってよく足を運んでいました。久しぶりの松本で感じた変化は、松本城への観光客が爆発的に増加したこと、電柱も地中化され繩手通や本町通など城下町の街並みが歩きやすく…

教育の理想を追求した偉人―夏旅第1回―

毎週のように発生する台風が20、21号と数を重ねるごとに、秋の足音が近づいて来るようです。夏が過ぎ去っていくことに後ろ髪をひかれる想いの今日この頃。私にとって夏の醍醐味は旅と遊び。照りつける日差し、五月蠅い蝉の声、郷愁誘う蜩の音色、旅の途中で…

最近の教科書事情

小学英語教育の必須化、プログラミングの導入、大学入試制度の改革などなど、平成の終わりの教育スローガンは賑やかしい。しかし、第一線にいる子どもや先生たちの教育事情は、私が小中学生だった30~40年前と比較して大きく変化しているのでしょうか。メデ…

自由研究のコツ

梅雨明けが記録的に早く、逆走台風と少々熱すぎる夏が到来。子どもたちは夏休み真っ只中です。夏休みといえば、海に山にお祭りと楽しいことが盛りだくさんの一方、水を差すのが作業的?な宿題の数々。中でも多くの親子を苦悩させる宿題が、昔も今も…ご存知“…

情報の受け手に立つ心構え

「平尾受刑者にそれほど恐怖を感じていなかった。」 平尾受刑者とは、今年、愛媛県今治市の刑務所から脱獄を図り、長らく広島県の向島に身を隠した後、広島市内で身柄を確保された脱獄犯です。尾道市の対岸にある造船とミカンで生業を立てている小さな島で起…