理科塾から望む教育コラム

教育、世相、人と街…、肌で感じた小さな発見と疑問について軽い頭を絞りながら綴ります。

祝「モヤモヤさまぁ~ず2」出演!から見える景色

7月18日に放送された「モヤモヤさまぁ~ず2」所沢編でさまぁ~ずのお二人と田中瞳アナが理科塾に立ち寄ってくれました。ツッコミを交えながら、一緒に水中花火の実験を楽しむ様子が放映されています。これまでも理科実験教室として、ニュースや情報番組の取材を数回受けたことがありますが、ゴールデンタイムのバラエティ番組は今回が初めての経験です。大物タレントさんを前にして私は立ち居振る舞いをどうするべきか、収録の数日前からグルグル考えすぎて?緊張しました。

 

三村さんと大竹さんに突っ込まれた教室の立て看板、ガリレオの顔ってどんな顔よ?

 

 

収録が無事に終わりロケ班を見送った後、「何が正解なのか見つけられず、頭が真っ白になってテンパってしまった」という感想を抱きながら妻とともに撃沈しました。私のダメダメな反省はさておき、今回の経験から得たいくつかの学びと気づきをお話しましょう。

 

まず、感銘を受けたのが、さまぁ~ずさん(田中アナも!)のリアクション力です。どんなシチュエーションに対しても瞬時に笑いとつっこみの材料に変換するさまぁ~ずさんの凄さを間近に感じられました。

 

また、大勢のスタッフの手と多くの時間とがかけられている番組制作の舞台裏を垣間見ることができました。私は素人ながらも、制作の舞台裏に想像を馳せてみました。

 

どうすればタレントさんが動きやすくなるか。(リアクションをとりやすくなるか。)

カメラを通した映像にインパクトや分かりやすさや面白さはあるか。

撮れ高は足りそうか。

当日のロケ班の動きに無理はないか。

コンプライアンスや昨今のコロナ事情も考慮しなければいけない。

 

 

制作を指揮する方は頭の中で演出や構成を組み立て、各方面と調整をとりながら多くのスタッフに指示を飛ばす、こうした段取りを経て番組が作られていくのでしょう。一方でタレントさんは製作スタッフが準備したお題に応えてみせる、一つの番組は、制作スタッフとタレントさんとの絶妙なセッションの上に出来上がっている作品といえます。

 

視聴者から見れば何気なく画面に流れる54分間のコンテンツも緻密な計算と用意周到な準備の上に制作されているわけです。「モヤさま2」は、それも毎週のことですからスタッフの方々の仕事ぶりは凄いの一言に尽きます。

 

 

 

■モノを作るプロとしての矜持

 

テレビ制作の現場に限らず、モノをつくる仕事はどんな職種もこだわりと準備と多くの試行錯誤がそこに介在しているのではないでしょうか。今回、テレビ的に私は全く面白くありませんでしたが、理科実験を教えるプロとしての私は一つの実習プログラムを作り上げる過程にこだわりを持ち、試行錯誤をしながら、多くの準備を費やしています。

 

理科実験教室は子どものわくわく遊びだとか、学力の向上や受験には無縁だとか、費用が高いだとか世間から言われがちです。確かに、数ある理科実験教室の中にはちびっこのお楽しみ教室もあるかもしれません。しかし、多くの理科実験教室では教育にかける理念を掲げて指導に取り組んでいます。教室によりその理念に多少の差異はあれど、その理念は決して“きれいごと”ではありません。

 

また、道具と試薬があればすぐに実験ができてしまうとの誤解をしている方もいらっしゃいます。しかし、実験実習を企画する際には、分かりやすさ・生徒が実験を行う際の操作性・実験結果の再現性・生徒に考えさせる間の創出・興味を引くインパクトの演出・安全性の確保など、試行錯誤しながら検討しなければならない項目が存在します。例えば、2時間ほどの実験実習を行うには、その何倍もの時間を準備に費やしています。

 

エンターテイメントを茶の間に送り届けるテレビ制作者も、理科実験を通して探究する学びを伝える講師も、プロとしてその舞台裏を積極的に見せる必要はありません。こんなに頑張っているのだから視聴者も生徒も正座してメッセージを受け取ってね、などと言ってはプロとして恥ずかしいからです。

 

ただ、モノ(形のあるモノ・形のないモノ)を受け取る側の人たちは、想像力を働かせてモノの価値を判断する力を失ってほしくありません。受け手が冷静で確かな目を持てば、作り手はさらにイイモノを世に送り出そうとその腕を磨きます。イイモノは作り手を育て、受け手の目を肥えさせます。こうした循環は創造と変革をもたらし、世の中を豊かにするでしょう。

 

昨今は、目に映る情報のみを全てと捉え、物事を判断する人が増えています。感情的な批判や衝動的な行動が過ぎると、作り手は萎縮し、目先の評価や利益ばかりを追求するようになります。モノの裏側とその先に繋がる小未来とに想像を馳せてみませんか。きっと今より少しだけ面白い日常がやって来るかもしれません。

 

 

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