理科塾から望む教育コラム

教育、世相、人と街…、肌で感じた小さな発見と疑問について軽い頭を絞りながら綴ります。

合格できる人の8つの特徴 序章 日々の努力と塾に通う意味

春風と陽光は春の訪れを感じさせてくれます。とはいえ、昨今の春には春風ならぬ暴風が吹き荒れています。原因は南岸低気圧にあり。今年はとりわけその発生数が多い気がします。これも気候変動の影響なのでしょうか。

南岸低気圧は発達しながら東へ進み、西高東低の気圧配置を展開します。いわゆる爆弾低気圧と言われるもので、日本列島を縦に走る等圧線の間隔が狭いほど風が強く吹きます。

このコラムを書き始めた日も猛烈な北風が吹き荒れています。台所の換気扇の蓋がバッタンバタンと音を立て、家全体が時折小刻みに揺れるほど。「三匹の子ぶた」の木の家のようにならないかと気を揉みながらキーボードを打ち込んでいます。

 

さて昨日までの受験生にとって春は、卒業式を終え新年度に向けて新天地へ旅立つ季節です。また新受験生にとっては、次の受験レースの戦いに向けてすでにその火蓋が切られています。

 

この時期に教育メディアから飛び交う、華々しい合格者数ランキングの裏側にはその何倍もの数の不合格者が存在します。彼らの合否の分かれ道は何だったのか。運や体調が影響した場合もあるかもしれませんが、このコラムでは、私の指導経験から得た合格できる人の8つの特徴をお話しします。新受験生の皆さんの一助となれば幸いです。

 

序章 ― 日々の努力と塾に通う意味 ―

 

受験の世界では運だけで合格を掴み取れることなどありません(受験は宝くじではありませんから)。また、塾業界には”合格請負人”なる肩書きも聞かれますが、どれだけ教え方が上手で、受験知識に長けた講師の下で教わったとしても、それがあなたの合格を保証するなんてことはあり得ません。

 

冒頭から身もふたもないことを言わせてもらいます。どこの塾に通おうと、誰に教わろうと、塾に通わないで通信教材を利用しようと、”日々の努力”が合格への唯一の処方箋なのです。

 

「そんなことは分かっている。それができれば苦労しない」とお叱りをうけるでしょう。まったくその通りなのですが、“どのようにいつ何を努力するのか”が肝要なわけです。塾で指示された課題に手をつけないことはもとより、自己満足的な努力を闇雲にしても合格には近づけません。現状を俯瞰的に分析し、適切なタイミングに、正しい学習内容と学習方法で日々の学習を積み重ねなければなりません。

 

もちろん、こうした学習を一人で実行できる中高生はよほど地頭が良くない限り滅多にいません。そこで、プロからその具体的な方策を得る必要があります。塾に通っている人ならば、塾の先生がその役割を果たしてくれるはずです。すなわち”塾に通う”とは、”学習の方策”を得ることであり、設問の”解き方”を教えてもらうことではありません。設問の”解き方”を教わるだけであれば、分かりやすい参考書や学習アプリが巷にあふれていますから事欠きません。

 

合格に近づける人は意識してか、意識せずしてか、上記の事柄を理解して実践できています。もし今あなたが、”解き方”を教わるためだけの塾通いをしているならば、塾に通う意味を問いただし、上手に塾を利用してみてください。授業コマ数だけを無駄に増やしても高額な月謝に見合う結果は得られません。

 

次回>>>合格できる人の8つの特徴 ①横並び意識がない -につづく

 

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